
マンホール内作業ではなぜ硫化水素測定が必要なのか
マンホール内作業では、硫化水素(H₂S)による中毒事故が発生する可能性があります。
特に下水道施設や排水設備につながるマンホールでは、内部に硫化水素が滞留していることがあり、事前に測定を行わずに立ち入ることは危険です。
硫化水素は無色の有毒ガスで、高濃度になると短時間で人体へ深刻な影響を及ぼすことがあります。
また、硫化水素は濃度が高くなると臭いを感じにくくなるため、作業者の感覚だけで安全を判断することはできません。
そのため、マンホール内作業では硫化水素の測定が重要になります。
マンホール内で硫化水素が発生する原因
硫化水素は、有機物が酸素の少ない環境で分解される過程で発生します。
マンホール内では特に次のような条件が重なることで発生しやすくなります。
下水や排水の滞留
下水や排水が長時間滞留すると、有機物の分解が進み、硫化水素が発生することがあります。
換気不足
マンホール内部は地上と比べて換気が悪く、発生したガスが滞留しやすい環境です。
汚泥や堆積物の存在
マンホール底部に堆積した汚泥や有機物も硫化水素発生の原因になります。
長期間清掃されていない設備では特に注意が必要です。
硫化水素は低い場所にたまりやすい

硫化水素は空気より重いガスです。
そのため、
- マンホール底部
- ピット底部
- 溝やくぼみ
などの低い場所に滞留しやすい特徴があります。
マンホールの蓋を開けた直後は地上付近の空気が安全であっても、内部の下層では危険な濃度になっている場合があります。
このため、マンホール内部へ立ち入る前の測定が重要になります。
硫化水素が人体へ与える影響
硫化水素は濃度によって人体への影響が異なります。
| 硫化水素濃度 | 主な影響 |
| 0.01~1ppm程度 | 臭いを感じる場合がある |
| 10ppm前後 | 目・鼻・のどへの刺激 |
| 50~100ppm程度 | 頭痛、吐き気、めまい |
| 100ppm以上 | 嗅覚麻痺の可能性 |
| 高濃度 | 意識障害や重篤な健康被害のリスク |
特に注意すべきなのは、危険な濃度になると臭いを感じなくなる場合があることです。
そのため、「臭いがしないから安全」ではなく、「測定器で確認する」ことが重要になります。
作業前測定と作業中監視の両方が必要

マンホール内作業では、作業前測定と作業中監視を分けて考える必要があります。
作業前測定
作業前測定は、マンホール内へ立ち入る前に安全な環境であることを確認するために行います。
測定を行わずに入坑すると、危険な環境に気付かないまま作業を開始してしまう可能性があります。
作業中監視
作業開始時に問題がなくても、作業中に環境が変化することがあります。
例えば、
- 排水の流入
- 換気状態の変化
- 周辺設備の影響
などにより、硫化水素濃度が上昇する場合があります。
そのため、作業者が携帯型ガス検知器を装着し、継続監視を行うことが重要です。
マンホール内作業における安全対策
硫化水素中毒事故を防ぐためには、以下の対策が重要です。
作業前にガス測定を行う
立ち入り前にマンホール内のガス濃度を測定します。
必要に応じて換気を行う
換気を実施し、安全を確認してから入坑します。
ガス検知器を携帯する
作業中も継続監視できるよう、携帯型ガス検知器を装着します。
単独作業を避ける
異常時に迅速に対応できるよう、監視者の配置や連絡体制を整えることが重要です。
WatchGas PDM+硫化水素ガス検知器(7192000)
マンホール内作業での硫化水素監視には、WatchGas PDM+ 硫化水素ガス検知器(7192000)が活用できます。
本製品は硫化水素(H₂S)専用の携帯型ガス検知器です。
電源を入れると周囲の硫化水素濃度を連続的に監視し、危険な濃度を検知すると、
- 赤色LED
- 95dBブザー
- バイブレーション
によって作業者へ警報を通知します。
主な仕様
| 項目 | 内容 |
| 型式 | 7192000 |
| 測定対象 | 硫化水素(H₂S) |
| 測定範囲 | 0~100ppm |
| 分解能 | 0.1ppm |
| 測定原理 | 電気化学式 |
| 測定方法 | 拡散式 |
| 保護等級 | IP67 |
| 防爆認証 | ATEX、IECEx、CE |
| 寸法 | 48×85×22mm |
| 重量 | 93g |
この製品が向いている用途
- マンホール内作業
- 下水道施設
- 排水処理設備
- 排水ピット
- 汚泥処理設備
- 地下設備点検
マンホール内や排水設備向けの携帯型硫化水素ガス検知器を検討している場合は、WatchGas PDM+ 硫化水素ガス検知器(7192000)の仕様をご確認ください。

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