
硫化水素ガスとは?
硫化水素(H₂S)は、腐った卵のような臭いを持つ無色の有毒ガスです。
有機物の分解によって発生しやすく、下水道設備や排水処理設備、汚泥処理設備などで発生することがあります。
製造業やインフラ関連の現場では比較的身近なガスの一つであり、硫化水素による中毒事故は毎年発生しています。
また、硫化水素は目で確認できず、高濃度になると臭いによる危険察知も難しくなるため、ガス検知器を使用した測定が重要です。
硫化水素はどこで発生するのか
硫化水素は酸素の少ない環境で有機物が分解される際に発生します。
特に以下のような場所では注意が必要です。
- マンホール
- 下水道施設
- 排水処理設備
- 汚泥処理設備
- 排水ピット
- 地下設備
- 排水槽
- 貯留槽
これらの設備は換気が不十分になりやすく、硫化水素が滞留する可能性があります。
特にマンホールやピットのような閉鎖空間では、気付かないうちに危険な濃度まで上昇していることもあります。
硫化水素が人体に与える影響
硫化水素は濃度によって人体への影響が大きく変わります。
低濃度では刺激臭を感じる程度ですが、濃度が上昇すると中毒や意識障害につながる可能性があります。
硫化水素濃度と人体への主な影響
| 硫化水素濃度 | 主な影響 |
| 0.01~1ppm程度 | 臭いを感じる場合がある |
| 10ppm前後 | 目・鼻・のどへの刺激 |
| 50~100ppm程度 | 頭痛、吐き気、めまい、呼吸器への影響 |
| 100ppm以上 | 嗅覚麻痺が起こる可能性 |
| 高濃度 | 意識障害や重篤な健康被害のリスク |
特に注意したいのは、濃度が高くなると臭いを感じなくなることです。
そのため、「臭いがしないから安全」という判断は危険です。
硫化水素の有無や濃度を確認する際は、臭いではなく測定器による確認が基本となります。
なぜ臭いでは判断できないのか
硫化水素は「腐った卵の臭い」で知られていますが、臭いだけを頼りに作業することは非常に危険です。
濃度が上昇すると嗅覚神経が麻痺し、臭いを感じなくなることがあります。
その結果、
- 危険な状態に気付けない
- 安全になったと誤解する
- 退避が遅れる
といった事故につながる可能性があります。
マンホールや排水設備での事故原因の一つに、「臭いで判断していた」というケースがあります。
マンホール内や排水設備で事故が発生する理由
マンホール内や排水設備では、
- 硫化水素中毒
- 酸欠
の両方が発生する可能性があります。
例えば排水設備では、有機物の分解によって硫化水素が発生する一方で、換気不足によって酸素濃度が低下することもあります。
このため、
- 酸素濃度測定
- 硫化水素測定
の両方を行う現場も少なくありません。
作業前の測定だけでなく、作業中の継続監視も重要です。
硫化水素中毒事故を防ぐためのポイント
作業前にガスを測定する
マンホールやピット、排水設備へ立ち入る前には、必ずガス濃度を確認します。
事前測定を行わずに立ち入ることは避けましょう。
作業中も継続監視する
作業前に安全だったとしても、作業中に環境が変化する場合があります。
そのため、作業者自身がガス検知器を携帯し、継続監視を行うことが重要です。
換気を行う
必要に応じて換気を実施し、ガスが滞留しないようにします。
ただし、換気後も再測定を行い、安全を確認することが重要です。
ガス検知器を活用する
硫化水素は人体への影響が大きく、臭いに頼った判断もできません。
安全確保のためには、適切なガス検知器を使用して測定することが重要です。
WatchGas PDM+硫化水素ガス検知器(7192000)
硫化水素による中毒事故対策には、WatchGas PDM+ 硫化水素ガス検知器(7192000)があります。
本製品は硫化水素(H₂S)専用の携帯型ガス検知器で、電源を入れると周囲の硫化水素濃度を連続的に監視します。
危険な酸素濃度を検知すると、
- 赤色LED
- 95dBブザー
- バイブレーション
によって作業者へ警報を通知します。
主な仕様
| 項目 | 内容 |
| 型式 | 7192000 |
| 測定対象 | 硫化水素(H₂S) |
| 測定範囲 | 0~100ppm |
| 分解能 | 0.1ppm |
| 測定原理 | 電気化学式 |
| 測定方法 | 拡散式 |
| 保護等級 | IP67 |
| 防爆認証 | ATEX、IECEx、CE |
| 使用温度範囲 | -40~50℃ |
| 使用湿度範囲 | 5~95%RH(結露なきこと) |
| 寸法 | 48×85×22mm |
| 重量 | 93g |
この製品が向いている用途
- マンホール内作業
- 下水道施設
- 排水処理設備
- 汚泥処理設備
- 排水ピット
- 地下設備点検
- 設備保全業務
小型・軽量で携帯しやすく、作業中の継続監視に適したモデルです。
マンホール内や排水設備向けの携帯型硫化水素ガス検知器を検討している場合は、WatchGas PDM+ 硫化水素ガス検知器(7192000)の仕様をご確認ください。

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